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東京ヒルトン

Author:東京ヒルトン
ビートルズが大好きです。
中学生・高校生の頃は、クラスに1人や2人はビートルズのファンがいたものですが、最近は少なくなって、ビートルズのことで雑談できる機会もほとんどなくなりました。
そこでビートルズ談義のできる場を! とこのブログを立ち上げました。
皆さん、よろしくお願いします。

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『ビートルズはこうして誕生した』

2019/02/28 15:05|書籍TB:0CM:4
以前に買ったまま読んでいなかったアラン・ウイリアムズ著「ビートルズはこうして誕生した」を読了しました。
ビートルズはこうして誕生した

アラン・ウイリアムズは1960年春から1961年4月までの約1年間、デビュー前のビートルズのマネージャーをしていた人物で、2016年12月30日に86歳で亡くなりました。
⇒『アラン・ウイリアムズ死去とポール来日!』
allan williams2

この本は1975年に出版された回想録で、デビュー前のビートルズとの係わりについて書かれたものです。

アラン・ウイリアムズについて今まで、強欲な山師のようなイメージを私は持っていたんですが、この本では常識的な普通の興行師という感じでした。

出版当時はどうだったかわかりませんが、暴露本という程センセーショナルな内容ではなく、特定の誰かをひどく非難するようなことは書かれていません。まあ、ジョンは我が強くて扱いにくかったようですが。


読み終えて印象に残ったのは、本の最後のエピソードです。ハンブルグのスタークラブでのデビュー前のライブ音源を1972年に入手したアラン・ウイリアムズが、そのテープをビートルズに買い取ってもらおうとアップル社を訪ねた時のことです。

事務所にいたジョージとリンゴの2人とやり取りをするのですが、その時にジョージがこう言ったというのです。

「信じてくれようとくれまいと、本当に僕らは文無しも同然なんだよ。 (中略) 僕たちが稼いだ金は、みんなこの会社と税務所に持っていかれちゃうんだ。 (中略) 僕たちの金はみんな押さえられていて、全然自由にならないんだよ。 (中略) 自由になる金があれば、五千ポンドでも一万ポンドでも、今すぐ払うさ」

五千ポンドは当時の日本円換算で400万円くらいです。テープを買い取るつもりが最初からなかったのかも知れませんが、自分達の判断で400万円ほどの支払いを決める権限がジョージとリンゴになかったのは事実なんでしょう。

ビートルズ解散時のアップル社やマネージャー問題の混乱を実感するエピソードです。

このやり取りには続きがありまして、明日が妻の誕生日だから何とかお金を工面してもらえないかと食い下がるアラン・ウイリアムズに対して、ジョージはポケットからルビーの原石16個を取り出して昔のよしみだからとアランに与え、彼の妻に宛てて誕生日のメッセージカードを書いてくれたんだそうです。

どうしてジョージがルビーの原石を、しかも16個も持ち歩いていたのかはわかりませんが、ジョージの優しさをうかがわせるエピソードですよね。


そしてもう一つ、はっとしたエピソードがありました。

決まったドラマーがおらず、ビートルズがまだまだアマチュアバンドだった頃の話です。文章をそのまま引用します。

「彼らはパーシー・ストリートとギャンビア・テラスの角の棟割長屋に巣食っていた。陽気が寒くなってくると彼らはアパートの床でテーブルや椅子を燃やして暖をとるので、家具の類はとうの昔に失くなっていた。彼らはボヘミアンを気取ったつもりで家具を燃やしたりしていたのだと思う。」

さて、アルバム「RUBBER SOUL」収録の「NORWEGIAN WOOD」の日本語タイトル「ノルウェーの森」は誤訳であり、「ノルウェー産の木材」「ノルウェー産の家具」と訳すのが正しいというのは近年よく知られていることです。

そして「NORWEGIAN WOOD」の最後の歌詞なんですが、

So I lit a fire

Isn't it good, Norwegian wood


は、一般に

俺は暖炉に火を入れた

いいんじゃない、ノルウェーの森みたいで


と和訳されています。

その他、「俺は明かりを灯した」なんて和訳されることもあります。

ですが、この部分は

俺は家具に火を付けた

(よく燃えて)いいんじゃない、ノルウェー産の家具は


が正しい解釈なんじゃないかと言う意見も以前からありまして。

「下心をもって女の子の部屋に上がり込んだけど、いっぱい食わされて一人ぼっちになった」という内容の歌ですから、ジョンのそんなブラックジョークもありかな、でも腹いせに家具に火を付けるなんてさすがにあり得ないよな、と私は半信半疑だったんですが。

しかし、デビュー前のジョン達のこのエピソードを知った今、やはり家具に火を付けたという意味なんだろうと確信しました。


「私はビートルズがショウ・ビジネスの歴史はじまって以来最大のスターになろうとする、その寸前に彼らを手放してしまった。そのために私が幾晩も眠られぬ夜を過ごしたことであろうと読者が想像されたとすれば、その想像は当たっている。」

と、まえがきの中で書いているアラン・ウイリアムズですが、ビートルズに対してもブライアン・エプスタインに対しても、本文中ではそれほど恨みがましいことは書いていません。

きっと気のいいおじさんだったのだろうと想像します。

ご冥福をお祈りするとともに、若き日のビートルズを支えてくれてありがとうと感謝の念を贈ります。
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allan williams







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コメント
『EIGHT DAYS A WEEK』で回想コメントを話すアランの相貌が、思っていたよりもずっと歳を取ったおじいちゃんの姿になっていたのに驚きました。
しかし、既に90歳近くなっていたと思えば当然のことか。
……というか、想像していたより若かったんですね。アラン。
2016年末に86歳ならジョンより10歳年長ってことだから、1960~1961年には30歳!

ビートルズの周辺人物となると、どうしてもビートルズのメンバーよりもかなり年上の人物ばかりというイメージ・印象がありますが、調べたら意外とそうでもないのだなって感じになります(笑)

僕も、数年前まではちょっと素行のよろしくない人物なのかと誤解してましたが、この記事を読んだら、この彼の著書も読んでみたくなりましたよ!
霧嚴 #-|2019/03/01(金) 12:47 [ 編集 ]
確かに! ビートルズの周りの大人のことをすごく年配に思ってますけど、みんな若者だったんですよね。マネージャーになった当時のブライアン・エプスタインは二十代だったし、先生のような雰囲気のジョージ・マーティンもまだ三十代。
ロックというジャンルが興ったばかりなので、みんな若かったんですよね。

アラン・ウイリアムズに対する悪いイメージは、ビートルズが契約を解消したことと、アラン・クラインとファーストネームが同じことによる印象からかなと思います。契約の解消はビートルズ側の一方的な契約違反なんですけどね。
東京ヒルトン #MaKh7gFU|2019/03/02(土) 08:39 [ 編集 ]
いつもブログ楽しく拝見しています。できれば以前のように頻繁に更新をお願いします!
さて、ノルウェーの森の歌詞問題ですが、ポールによると「家具」よりも「木材」、つまり「部屋」そのものに火をつける、ということのようですね。女への復讐として。しかもこの部分の歌詞はポールが考えたということですから驚きです! レノン=マッカートニーの関係、共作の実態、本当に奥が深いと思います!!
ふむふむ #-|2019/03/18(月) 20:51 [ 編集 ]
応援のお言葉ありがとうございます。ブログを始めた頃は週2回のペースで更新してたんですが、書きたいことを概ね書き尽くしてしまって、今は月1回ペースになってしまいました。継続は力なりの気持ちで頑張ります。

家に火をつけたとなると家具どころの騒ぎではありませんね! 歌詞についての議論がリリースしたリアルタイムで起こらなかったのか、気になるところです。
東京ヒルトン #MaKh7gFU|2019/03/19(火) 12:31 [ 編集 ]
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