fc2ブログ

              私の心にはいつもビートルズがいます。 ファンの人とは共に楽しみ、ビートルズを知らない人には興味を持ってもらえる、そんなブログを目指しています。 コメント・相互リンクはお気軽にどうぞ!

ビートルズ・・・いつも心にビートルズ
http://beatlesinmind.blog101.fc2.com/

プロフィール

東京ヒルトン

Author:東京ヒルトン
ビートルズが大好きです。
中学生・高校生の頃は、クラスに1人や2人はビートルズのファンがいたものですが、最近は少なくなって、ビートルズのことで雑談できる機会もほとんどなくなりました。
そこでビートルズ談義のできる場を! とこのブログを立ち上げました。
皆さん、よろしくお願いします。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

FC2ブックマークに追加する

FC2ブックマークに追加

写真集「Get Back」を読み解く(トゥイッケナム・スタジオ編)

2021/10/11 20:02|書籍TB:0CM:0
劇場公開が昨年中止になって、今年ディズニープラスで配信することになっている映画「Get Back」。未公開写真と会話の書き起こしによる写真集「Get Back」が刊行されました。

表紙

ゲットバック・セッションについては今までにも書籍が多数あるので、期待と今更の2つの気持ちで読んだのですが、期待を上回る興味深い内容でした。

今まで伝聞や想像でしかわからなかったメンバーの心情が明らかになり、まるでミステリー小説の謎解きを読んだような感覚です。


まず「Get Back(原点回帰)」とは何だったのか? です。

「デビュー当時のようにオーバー・ダビングを行わない一発録り」に回帰しようとした。一般にはそう思われており、Wikipediaなどにもそう書かれているんですが、ポールの発言を読むとそうではなかったことに気づきます。

1月6日ポール

『いや、ほんと、ぼくらはひとつにまとまらないと駄目だ。だって全員がいがみ合ってる。「ザ・ビートルズ(ホワイト・アルバム)」でやったことをくり返してるんだ。ほら、ぼくらは全員でプレイしてる……ぼくの言いたいことがわかるかい?」(1月6日:セッション3日目)

『でもぼくら、ぜんぜん一緒にプレイしてないじゃないか。それが一番の問題だよ。(中略)でもぼくらは今、ここにいるし、ぼくらならできる……とにかく熱意を見せてくれ!』(1月7日:セッション4日目)

これらの発言から「原点回帰」とは「オーバー・ダビングをしない」とか「一発録り」ではなく、「メンバーが全員で一緒にプレイすること」だったことがわかります。

メンバーが一緒にプレイするのはバンドなら当たり前なんですが、その当たり前のことができていなかったのが当時のビートルズだったのです。

ゲットバック・セッションは1969年1月2日から始まりました。その2か月半前の1968年10月半ばまで彼らは「ホワイト・アルバム」のレコーディングをしていたんですが、4人が一緒にスタジオで顔を合わせることは少なく、各自がバラバラに活動している状況でした。

「I Will」の仕上げをジョンとやりたかったが叶わずひとりでやったと、ゲットバック・セッションの中でポールは吐露しています。

「ホワイト・アルバム」発売からわずか1月半という短期間でまたセッションを開始したのは、「ホワイト・アルバム」ではメンバーが一緒にプレイしていなくて、このままではマズいとポールが考えたからなんですね。

「原点回帰」とは「メンバーが全員で一緒にプレイする」ことだったのです。

1月7日ポール


ビートルズは1969年にライブを2回やる計画をしており、ゲットバック・セッションはそのリハーサルでした。しかしライブをやろう、ツアーもしたいというポールに対して、ジョージはライブを頑なに拒みます。

(1月7日:セッション4日目)
ポール『昔は普通にやってたじゃないか。もちろんあのころはみんな、今よりずっとやる気があったけど。(中略)現にぼくらはやっただろ。みんなが大好きなぼくらの映画を――あれをやったのは、まぎれもないぼくらだった』

ジョージ『いや、もしやるっていうのがそういう意味なら、だからこそぼくはやりたくない。一度も好きだったことはないし、やりたがるのはいつもお前(ポール)だ』
『正直、ライブではぼくの曲は1曲もやりたくない。どうせ、ロクでもない出来になるのは目に見えてる……嫌でも妥協の産物になってしまうからだ。でもスタジオなら、いくらでも磨きがかけられる……望みどおりの形になるまで』

騒いでばかりで演奏をまともに聴かない観客の前でライブをやるのは嫌というのがジョージの主張で、1月30日のルーフトップ・コンサートでジョージの曲が1曲も演奏されなかったのにはこんな経緯があったのですね。

10日ジョージ

1月7日には「ビートルズは離婚(解散)するべきだ」とまで言ったジョージは1月10日(セッション7日目)に不満を爆発させて、ビートルズを辞めるとジョンに告げてスタジオから帰ってしまいます。

しかしジョンはジョージを引き留めず、数時間後には『もしあいつが火曜日(1月14日)までに戻ってこなかったら、クラプトンを入れる』と言い出します。ポールとリンゴはこのジョンの発言についてイエスともノーとも言いません。

1月13日(セッション8日目)には『ぼくは単純に戻ってくると思うな。うん、彼は戻ってくると思う』とジョージの復帰を期待するポールに対して、『正直オレは、ほんとに(ジョージが)必要なのかどうかわからない』と発言するジョン。

10日ジョン

ジョージを要らないメンバー扱いするジョンですが、実はその数時間前にはジョンとヨーコが問題児扱いされていました。

13日の午後3時にジョンとヨーコがスタジオ入りする前に、ポールとリンゴ、スタッフらが二人について話し合っています。

13日ポール話し合い

ポール『答えはいつだって、ふたつしかない――ひとつはこの状況と彼女と闘い、ビートルズをヨーコのいない4人組に戻すこと。そして重役会の席では、彼女に座っていてくれと頼むことだ。それが駄目なら、彼女の存在を受け入れるしかない。ジョンがぼくらのために、彼女と別れるとは思えないからね』
『だからぼくが思うに今、ジョンが関心があるのは……ヨーコとビートルズのどっちを取るのかという話になったら、今は明らかにヨーコに分がある』
『だからそれがあのふたりの世界なわけで、いくら「これについてはやりすぎはなしだ、もっと分別を持ってくれ、彼女をミーティングに連れてくるな」と言っても無駄なんだ』

ジョンとヨーコの態度に頭を痛めるポールの姿が目に浮かびます。

映画「レット・イット・ビー」ではジョンの横で黙って座っているだけのヨーコですが、実はとても積極的に発言していたようなんです。

13日ジョンとヨーコ

例えばセッション3日目の1月6日、ライブ開催についての話し合いの中で、

ヨーコ『あら、空っぽの椅子の方がずっとドラマティックかも知れないわよ。ほら、空っぽの椅子が2000個並んでたら、その方がずっとドラマティックじゃない』
『(強い口調で)それと世間の人たちは、バンドに今、どういう客層がついてるのかを知りたがってるでしょ。それはティーンエイジャーとかじゃなくて、“世界中の無名のみんな”であるべきよ……コスチュームを着た人を呼んだりしたら、「ああ、ああいう客層なのか」と思われるし、それはとても危険なことなの……」

まるでビートルズのメンバーかマネージャーになったかのような発言ですよね。側にいるジョンは口をつぐんだままで、ヨーコが代理人のようにベラベラと話すわけです。

ヨーコの存在については、ヨーコに夢中になったジョンの気持ちがビートルズから離れたのが解散の一因だと私達は認識していますが、実際にはそれだけでなく、ヨーコがビートルズの運営に口を出すようになったのも一因だったようです。

だからポールの『重役会の席では、彼女に座っていてくれと頼むことだ』なのですね。

そしてジョンとの関係について、ポールはこう言っています。

『それは僕らが一緒にプレイしなくなったからだ。一緒にプレイしなくなってからはずっと……。(中略)そう、だって一緒にプレイしてたころは、一緒に暮らしてるようなものだったから。(中略)1日中そうやって身近にいると、おのずと何かが生まれてくる。(中略)だからぼくらはとにかく、たくさん仕事をするべきだと思う――そうやって、なんていういか……ハードな時代に逆戻りするんだ』

ジョンの気持ちをビートルズに引き戻すために。昔みたいに親密な関係に戻るために。

そのためにライブをやろう! ツアーに出よう! 逆戻り(Get Back)しよう!

というわけです。

ポールの健気さに胸が切なくなりますね。


あのセッションの裏でこんなに濃厚な人間ドラマが展開していたとは。

トゥイッケナム・スタジオでの最初の2週間だけでも盛りだくさんです。

語りたいことは他にもたくさんありますが、すべて語りつくすとこれから読む人に申し訳ないですし、長くなったのでこの辺りで記事を終わりにします。

劇場版「Get Back」をますます観たくなりましたが、ディズニープラスに加入してないんですよね、私(涙)
『ポチっとひと押しお願いします』励みになります
スポンサーサイト



ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

 |  Fab 4 | ジョン・レノン | ポール・マッカートニー | ジョージ・ハリスン | リンゴ・スター | Please Please Me | With The Beatles | A Hard Day's Night | Beatles For Sale | HELP! | Rubber Soul | Revolver | Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band | White Album | Yellow Submarine | Abbey Road | Let It Be | Magical Mystery Tour | Past Masters Vol.1 | Past Masters Vol.2 | The Beatles (1962-1966) | The Beatles (1967-1970) | The Beatles 1 | The Beatles Live At The BBC | Anthology 1 | Anthology 2 | Anthology 3 | Yellow Submarine Songtrack | Let It Be...Naked | Love | 映画 | 書籍 | カバー | ゲーム | その他 | 海賊盤-A | 海賊盤-B | 海賊盤-C | 海賊盤-D | 海賊盤-E | 海賊盤-F | 海賊盤-G | 海賊盤-H | 海賊盤-I | 海賊盤-J | 海賊盤-K | 海賊盤-L | 海賊盤-M | 海賊盤-N | 海賊盤-O | 海賊盤-P | 海賊盤-Q | 海賊盤-R | 海賊盤-S | 海賊盤-T | 海賊盤-U | 海賊盤-V | 海賊盤-W | 海賊盤-X | 海賊盤-Y | 海賊盤-Z | 海賊盤-John Lennon | 海賊盤-Paul McCartney | 海賊盤-George Harisson | 海賊盤-Ringo Starr | 未分類 | 
Copyright(C) 2007All Rights Reserved. ビートルズ・・・いつも心にビートルズ
Powered by FC2ブログ.
template designed by 遥かなるわらしべ長者への挑戦.