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Author:東京ヒルトン
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中学生・高校生の頃は、クラスに1人や2人はビートルズのファンがいたものですが、最近は少なくなって、ビートルズのことで雑談できる機会もほとんどなくなりました。
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ジョージ・ハリスン盗作騒動 後編

2009/03/30 18:16|ジョージ・ハリスンTB:0CM:4
ジョージ・ハリスン盗作騒動の後編です。

前編では1971年発表のジョージの「My Sweet Lord」が、1963年発表のシフォンズの「He’s So Fine」にとても似ているということと、ジョージはシフォンズの「He’s So Fine」を知っていて、むしろその曲を意識して自曲を作ったのではないかという私の個人的な意見を書きました。

それではなぜ私がそう思っているのか。それが今回のテーマです。

そのポイントになる人物がいます。
ザ・バーズのロジャー・マッギンです。
ROGER McGUINN

ザ・バーズは1960年代にアメリカで活動していたアメリカのバンドです。
1965年のデビュー曲「ミスター・タンブリンマン」でいきなり全米1位となり、ビートルズとボブ・ディランを融合させたといわれる彼らの音楽はフォークロックというジャンルを築きました。

そして、そのザ・バーズの中心的存在がロジャー・マッギンです。
ザ・バーズとビートルズはメンバー同士の交流があったようで、ロジャー・マッギンのトレードマークである四角いレンズのサングラスを、後にFab4も愛用しています。
George-Glasses.jpg

さて、そのロジャー・マッギンがなぜ「My Sweet Lord」の盗作騒動のポイントなのかですが、まずはロジャー・マッギンへのこんなインタビューをお読みください。

質問:「ラバー・ソウル」の中に、ジョージ・ハリスンが作った「恋をするなら」という曲があるけど、あの曲の主旋律が、君が「ザ・ベルズ・オブ・リムニー」でやった音とよく似ているんだ。事実、ジョージがデレク・テイラーに手紙を書いてきて、そのことを告白しなかった?

ロジャー・マッギン:デレクがメッセージを寄こして、「ジョージは『恋をするなら』という曲が、『ザ・ベルズ・オブ・リムニー』のリフに触発されて作ったものだということを、君に知ってほしいと思っている」と言った。実際、あとからジョージが自分自身で、そのことを話してくれたよ。たとえ、彼が僕に言ってくれなかったとしても、旋律が同じだったんだから、わかっただろうけどね。


このエピソードが事実であることは、アップルの広報担当者であったデレク・テイラーへのインタビューから確認できます。

デレク・テイラー:僕がロサンゼルスにいた時、ジョージが手紙を寄こして、ジムに「恋をするなら」の幾分かを「ザ・ベルズ・オブ・リムニー」と「シー・ドント・ケア・アバウト・タイム」の一部から拝借したことを伝えてほしいと言ったんだ。

このブログを読んでくださっている方でビートルズの「恋をするなら(If I Needed Someone)」を知らない方はいないかも知れませんが、念ためアップしておきます。

The Beatles - If I Needed Someone


そしてこれが、ザ・バーズの「ザ・ベルズ・オブ・リムニー」です。
The Byrds-Bells of Rhymney


なるほど、よく似ていますね。
12弦ギターのリフから始まるイントロにドラムとベースが絡むタイミングなんか、全くそっくりです。

さてこのエピソードで、私はジョージには盗作の前科があるといいたいのではありません。
重要なのはコメントの続きなのです。

先ほどのコメントの続きで、ロジャー・マッギンはこう言っています。

ロジャー・マッギン:でも、そのことを知ってとても光栄に思ったよ。ある意味で、僕たちはレコードを通じて、世界中あちこちに秘密のコードを広めたんだ。ほら、第二次世界大戦を題材にした映画の中に、BBCがある曲だけはかけようとしないんだけど、実はそれがメッセージになっていて、ドイツにいるエージェントがそのメッセージを読み取るという場面があるだろう。あれと同じようなもんだね。だから愉快だったよ。そいうわけで、「恋をするなら」は僕のお気に入りの曲さ。

またデレク・テイラーは、先ほどの続きでこう言っています。

デレク・テイラー:こういう連中は、何かの曲を一度聴いて、一か所か二か所いただいて、お互い、訴えることなんかしないんだ。その頃は誰も訴えなんかしなかったよ。“愛と平和”の時代だったからね。ロック音楽における国際運動は相互交流の中ではじまった、ってとこかな。

新しい音楽を作るために他の曲のいいところを借用する。そしてもっといい音楽を作り上げる。そういうことの積み重ねで、ロックという新たな音楽文化を作っていく。

そういう時代だったのだと思います。

彼らの心にあるのは自分の曲を「盗作した」「盗作された」という個の価値観ではなく、みんなでロックという文化を創造するという共同体の感覚であり、その感覚こそが60年代のロックのパワーの源だったのだと思います。

リフをまねたり、コードをまねたりすることは、彼らの感覚では盗作ではなかったのでしょう。

ですからジョージは「He’ So Fine」の存在を知っていて、いや、知っているからこそ、その曲のいいところを取り入れて「My Sweet Lord」を作り上げたのだと私は思います。

ただ、そのロックの共同体という感覚がビジネスとしては単なる幻想に過ぎなかったため、「He’ So Fine」の版権管理会社から訴えられたのではないでしょうか。

ジョージの「My Sweet Lord」盗作騒動というのは、創成期であるロックという文化への夢や希望、そしてその終わりを示すエピソードであったといえるかも知れません。

「He’s So Fine」からの盗用があったとしても、それを更なる高みへと創造したジョージの業績はロック村の住民からは避難されるものではないのだと強がりを言って、今回の記事を終わりたいと思います『人気ブログランキング』へ
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コメント
なるほど、なかなか深い考察で感心しました。
僕はバーズのあの音楽性は、ジョージの影響だと単純に捉えていたので、逆の影響には考えが至りませんでした。
この「My Sweet Lord」について、あの「プレイボーイ」インタビューでジョンは「意識的な剽窃で、少し手を加えれば誰も文句言えなかったのに手間を惜しんだんだ」なんて辛辣なことを話していましたね。

ロックの名曲には、ブルースのリフをそのまんま持ってきたようなものがいくつかあります。そういうもの全部ひっくるめて大きな「文化」なのかも知れません。
ビジネス的なとらえ方とは違うところで才能の交流があったというのは、音楽ファンにとっては嬉しい話しです。

shirop #Kqp.go1E|2009/03/30(月) 22:31 [ 編集 ]
ジョンの発言は、ジョージが「He's So Fine」からアイデアを借用したことを裏付けていると取れますね。

私は詳しくないのですが、ジャズやブルースの世界の方がアイデアの借用が許容されてるんじゃないでしょうか。
ロックは文化として成熟する前に、ビジネスとして大きくなり過ぎたのかも知れませんね。
東京ヒルトン #MaKh7gFU|2009/03/31(火) 08:35 [ 編集 ]
相変わらず東京ヒルトンさんの深い考察と裏付けの記録の豊富さに感服します。素晴らしいですね。

これはインスパイアというか、お互いに音楽的に尊敬していたんでしょうね。最近よく使われるリスペクト、という事だと思います。
奥田民生なんかもビートルズにリスペクトの意味を込めて、わざと分かるようにリフやリズムを取り入れたりしていますよね。
ジョージもそういう気持ちがあったのかもしれません。
ダン・コレステ #-|2009/04/02(木) 18:58 [ 編集 ]
私はダン・コレステさんのコレクションにいつも感心しています。

ロックからでなく、アメリカン・ポップスからの借用というのもまずかったんでしょうね。
今のビートルズのように“スタンダード”になっていれば、ポップスからでもOKだったんでしょうけど。
東京ヒルトン #MaKh7gFU|2009/04/03(金) 08:40 [ 編集 ]
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