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東京ヒルトン

Author:東京ヒルトン
ビートルズが大好きです。
中学生・高校生の頃は、クラスに1人や2人はビートルズのファンがいたものですが、最近は少なくなって、ビートルズのことで雑談できる機会もほとんどなくなりました。
そこでビートルズ談義のできる場を! とこのブログを立ち上げました。
皆さん、よろしくお願いします。

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『パティ・ボイド自伝』を読んで

2021/05/17 14:15|書籍TB:0CM:0
前から気になっていたパティ・ボイドの自伝を読みました。
パティボイド自伝

このブログを読んでくださる方の多くはご存じだと思いますが、パティはビートルズの頃のジョージと結婚し、離婚後にエリック・クラプトンと再婚(後に離婚)した女性です。

モデル時代に映画『ハード・デイズ・ナイト』に女子高生役のエキストラとして出演した際にジョージと出会い、すぐに恋仲になって1966年に結婚しました。

この本では生い立ちから現在に至るまでが書かれていますが、もちろんジョージとの出会いからクラプトンとの離婚までに多くのページが割かれています。

パティの存在は知っていても、その人となりや生涯についてはほとんど知りませんでしたので、ロック界のレジェンド二人との恋愛と結婚、そして別れを振り返った本作はとても興味深い内容でした。

印象に残ったことをいくつかご紹介したいと思います。


1965年にパティはジョージと一緒にキンファウンスという家で暮らし始めます。キンファウンスは『ホワイト・アルバム』のデモ音源(通称イーシャー・デモ)が録音されたことで有名ですね。

キンファウンスの家の中にはいたるところにギターが置いてあり、ジョージは家の中で朝から晩までギターを弾いて曲作りをしていたんだそうです。

私にはこれが意外でした。

ビートルズの曲作りはもちろんジョンとポールの二人がメインです。ジョージはたまに曲を書いて、良いのができたらメンバーに聴いてもらうのだろうくらいに思っていたんですが、まだツアーやアイドル映画に出ていた1965年頃にはもう、ジョージは一生懸命に曲作りに励んでいたのです。

しかもジョンとポールは一緒に曲を作ったりするんですが、ジョージには声もかからないわけです。

自作曲を評価してもらえない不満をジョージが抱くのは、ビートルズ後期からだと思っていたんですが、きっともっと前から悔しい思いを募らせていたのでしょうね。


キンファウンスから1970年にフライヤー・パークに二人は引っ越します。この家はアルバム『オール・シングス・マスト・パス』のジャケットや「Crackerbox Palace(邦題:人生の夜明け)」のPVなどにも使われています。

フライヤー・パークは東京ドーム約3個分の広さの敷地に建つ邸宅で、当時の価格で14万ポンド(日本円で約1億2千万円)、今の物価に換算するとおよそ9億円の豪邸です。
フライヤー・パーク

ビートルズの活動が終了して、『オール・シングス・マスト・マス』をリリースしたこの頃のジョージは枯れた哲学者のような外見なんですが、暮らしぶりは贅沢だったようです。
オールシングスマストパス

ジョージはここで、ある時は瞑想にふけり、ある時はコカインを吸って仲間と大騒ぎをし、音楽関係者やクリシュナの信徒を招き、泊まらせ、居候させるようになり、お互いがどこにいるのかもわからないような広い邸宅の中で、パティは疎外感と孤立を深めていきました。

ジョージは包容力があって優しい一方、亭主関白で浮気が絶えず、キンファウンスに住んでいた頃から少しずつ亀裂が入っていた夫婦仲が、フライヤー・パークに引っ越してからさらに悪くなります。

この頃、ジョンはヨーコとの活動に没頭し、ポールはリンダと二人で農場に引きこもっていました。

ビートルズという枠が外れて、ジョンとポールの気持ちがプライベートへと向いたのに対して、ジョージの気持ちが外へ外へと向いたのは、ビートルズで三番手として抑圧されていたものが一気に溢れ出たからのような気がしますね。


さて、そんなパティの前に現れたのがエリック・クラプトンです。

クラプトンとパティが出会ったのは1960年代後半で、まずクラプトンが彼女に一目惚れしました。しかし親友の妻ですから気持ちを打ち明けることができず、1970年にパティにラブレターを書くのです。ジョージとの関係が次第に悪くなっていたパティは、クラプトンと密かに交際を始めます。

ですが、駆け落ちしようというクラプトンの誘いをパティが断ったことから関係はいったん終わりを迎え、傷心のクラプトンはその後3年ほどヘロイン中毒になりました。

と書くと、クラプトンはとても一途で純情な男性のようですが、パティに恋してヘロイン中毒になる間にも、同時進行でたくさんの女性と交際していました。その中にはパティの妹もいて、パティもそれを知っていて彼と交際していたのですから、このあたりは常人には理解しがたい心情ですね。

のちに二人は寄りを戻して結婚しますが、クラプトンは自分本位で周りへの気遣いがなく、ジョージよりも浮気がひどかったそうです。さらにヘロイン中毒から脱したクラプトンは、今後は重度のアルコール依存症に陥り、さらにツアーによる長旅などで安らぐことのない生活だったようです。


彼らとの生活を振り返ってパティは、ジョージとの愛は大きく穏やかで、手放したことを後悔していると書いています。一方、クラプトンとの愛は情熱的だったが心が休まらず、お互いのために離婚してよかったと思っているそうです。

なおクラプトンの名誉のために付け加えておくと、ヘロイン中毒とアルコール依存症を克服した現在の彼はとても真面目で、面白味がないのを不満に思うくらいらしいですよ。

ジョージとクラプトン

ジョージとクラプトン - コピー

ジョージとクラプトンとのエピソードを本にしないかという話を、パティはずっと断っていたんだそうです。

しかし、人生を一緒に過ごしてきた人達が病気や事故、あるいは自死でいなくなる中で、いま自分が生きていることが嬉しい、自分の人生が素晴らしいものだと思えるようになったので、彼女はこの自伝を出版したのでした。

なのでこの本の原題は『Wonderful Today』なんですね。もちろんクラプトンが彼女のことを歌った「Wonderful Tonight」のもじりです。

この自伝は単なるロック・スターの暴露本ではなく、ロック・スターに愛されて波乱の人生を過ごした女性が、自分の人生を見つめなおして自立する物語なのでした。
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