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東京ヒルトン

Author:東京ヒルトン
ビートルズが大好きです。
中学生・高校生の頃は、クラスに1人や2人はビートルズのファンがいたものですが、最近は少なくなって、ビートルズのことで雑談できる機会もほとんどなくなりました。
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ルーフトップ・コンサート『警官やらせ説』を検証する

2022/02/10 19:02|映画TB:0CM:5
Get Backセッションの8時間におよぶ未公開フィルムがディズニープラスで配信され、ルーフトップ・コンサートを中心にまとめたフィルムが映画館で限定上映されました。
getback_IMAX_poster.jpg

海賊版フィルムで画質の悪い映画『Let It Be』を観ていた頃を思うと、ファン冥利につきる昨今です。

さて先日映画館でルーフトップ・コンサートを観た私は、久しぶりにある説を思い出しました。

「ルーフトップ・コンサートに警官がかけつけたのはやらせではなかったのか」です。

これについては中山康樹著「ビートルズの謎」(2008年出版)に詳しく記されています。

ビートルズの謎

本の中で中山氏は映画『Let It Be』の警官ついて「ルーフトップ・コンサートには台本があり、警官の登場もすでに組み込まれていたと考えられる」と推測しています。

その根拠として以下のように述べています。

①警官の行動が不自然

 1.「アップルの受付ロビーにカメラを設置しておいた。誰にも気づかれないように窓の裏に隠しておいて、入ってくる人たちを撮っていたんだ。警察とかいろんな人がやってきて、『あんなことをやっていいと思ってるのか! 早くやめろ』って言ってたよ」とジョージがアンソロジーの中で回想している。映画『Let It Be』では警官の音声が意図的に消されているので何をしゃっべっているのか不明だが、ジョージが言うような激しい口調ではなかったことは映画のシーンから明らか。

 2.警官の目的が演奏をやめさせることなら屋上に行く必要はない。広報担当のデレク・テイラーやジョージ・マーティンに説明し、彼らスタッフがビートルズに伝えるというのが一般的な筋道だろう。ところが映画『Let It Be』では、警官は最初からそうすることが当然であるかのような表情で屋上に上がっていくように見えて、このシーンはきわめて不自然。

②ポールのセリフが”できすぎ”

 警官が屋上に来てから最後の「Get Back」のエンディングで、ポールが「また屋上で遊んでしまったね。ママが嫌がってるのは知ってるだろ。怒られるぞ。逮捕されるぞ。さあ、帰ろう」(You been playing on the roofs again and that's no good 'cause you know your mommy dosen't like that. Oh she get's angry, she gonna have you arrested, get back.)と歌ったのは、警官が横やりを入れてくることが前提のセリフであり、最後の曲で警官が姿を見せることをポールは知らされていたのではないか。警官は本物ではなく、役者だったのかも知れない。

hqdefault.jpg

中山氏の本を読んだ10年以上前には、面白い、あり得るかも知れないと思ったのですが、最近の情報と、そして今回の劇場版「Get Back」でその謎が解明されました。

まず①-1.について。

中山氏が言うように映画『Let It Be』の警官は硬い表情ながら、確かに口調は穏やかでした。ジョージの回想のように「あんなことをやっていいと思ってるのか! 早くやめろ」と怒鳴っている様子ではありません。

ですが今回の「Get Back」で警官の音声が明らかになると、口調は穏やかですが「今すぐ音量を下げないと逮捕することになる。これは脅しではないぞ」と警官は通告していたのです。

その場に立ち会っていなかったジョージは後でその様子を誰かから聞いたのでしょう。そして通告の内容から激しい口調を想像したのだと思います。

①-2.について。

映画『Let Ie Be』では警官がオフィス到着後すみやかに屋上に向かった印象ですが、今回の「Get Back」を観るとそうではなかったようです。

かけつけた警官は到着後すぐに屋上に向かったのではなく、受付に長時間いました。のらりくらりと応対するアップル側の対応に手を焼いて、警察署に電話をかけたりもしています。

また警官はデレク・テイラーやジョージ・マーティンらに通達するべきではないかとの指摘は後世の今だから思うことでしょう。ビートルズが数ある人気ロックバンドの一つに過ぎなかった当時にビートルズのファンではない警官の頭に、責任者としてデレク・テイラーやジョージ・マーティンら裏方の名前が浮かばなくて当然です。

受付で通告しても騒音を出すことをやめないのなら、騒音を出しているビートルズがいる屋上に行くしかないわけです。

②について。

このセリフが事前に考えておいたものだったかどうかはポール本人にしかわかりません。ですが、ポールやジョンがセッション中にでたらめな歌詞を即興で口ずさむのはよくあることなので、私は中山氏のように「作為的」には感じません。

屋上に警官がやってきてPAのボリュームをオフにされたのを皮肉って、思いつきで歌ったとセリフだと私は考えます。

警官が屋上に来ることを確信とまではいかずとも、想定はしていたかもしれません。ですが、それをもって警官が役者だとはなりません。

そして彼らが本物の警官であったことは、後に明らかになりました。

映画『Let It Be』に登場する2人の警官。向かって右がRay Dagg、左がRay Shaylerです。
Get_Back_Policemen.jpg

昨年インタビューに応じた2人は、アップルビルへ出向いたのはやらせではなく署からの出動命令であった旨を述べています。

そしてこうも証言しています。

Daggが「今すぐ音量を下げないと逮捕することになる。これは脅しではないぞ」と通告したのは“ブラフ(こけおどし)”であり、逮捕するつもりは初めからなかったとのこと。

4人が演奏を終えて屋上から立ち去る際に、Shaylerはポールから騒動について謝罪の言葉をもらい、リンゴから「手錠をかけないで!」とジョークを言われたそうです。

そして彼はインタビューの最後に冗談まじりにこう言っています。

「カメラマンたちが映画について詳しく説明してくれました。我々は無料のエキストラだったみたいですね」

台本を書いて仕組んだやらせではないけれど、ビートルズたちと警官たちの暗黙の意思のやり取りによって演出されたコンサート。

それがルーフトップ・コンサートだったのです。

最後に。ビートルズの定説・伝説を検証する中山康樹氏の「ビートルズの謎」は、ファンにはたまらなく楽しい本です。

最新の「Get Back」を観ることなく2015年に亡くなった著者のご冥福をお祈りいたします。
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コメント
こんばんは、JTです。

私も中山さんの本を読むまえから警官は仕込みじゃないかと思っていました。
中山さんも言っていましたが、アップルに入る直前の警官の後ろを撮影し、次の瞬間アップルの内部からの警官を撮影、これは1台のカメラでは、カメラマンが警官に「ちょっとごめんなさい、カメラ先に中に入ります。」とかしないとできないですね。ちょっとこれは不自然かと思っていました。

「Get Back」ではもともとアップル内部にカメラがあったとあり、また内側のカメラから外のカメラマンが写りこんでいたので、私の見込み違いでした。

また、GetBack Take3ではギターアンプを切られても、残りの3名が演奏を続けていました。観客をいれた正式のライブでは多少の音響上のトラブルがあっても演奏は続けますが、ルーフトップの場合、ライブというより撮影と録音がメイン。なぜ演奏を中断して最初からやり直さないのか。これも仕込みではないか、と思っていました。

後のリンゴの証言の「警官に演奏を止めて欲しかった」とあったので、演奏し続けた。また本当に警官に制止させられそうだったのでやり直す時間がないな、と思ったのかもしれませんね。

>最新の「Get Back」を観ることなく2015年に亡くなった著者のご冥福をお祈りいたします。

あ、そうだったですね、知りませんでした。それはさぞかし無念だったのでしょうね、7年後に8時間バージョンが見られるなんて。

ルーフトップの音源をプレーバックして満足げに聴いているビートルズを見ると、なぜアルバム「Get Back」のミックスやテイク選びをグリン・ジョンズに丸投げしたのか、できあがったものを一回没にしたにも関わらずまたグリンに丸投げしたのか、不思議でなりません。
またグリンも完奏していない「I've Got A Feeling」を収録したのか、まだリハーサル段階の「Teddy Boy」とか収録したのか、聞いてみたいです。
JT #pSJ6Fihk|2022/02/17(木) 00:21 [ 編集 ]
警官の対応については時代もあるんだろうなと思いますね。今なら多数の警官が出動して直ちに強制終了、警察署へ任意同行されるんじゃないでしょうか。ビルの周囲の人達も「演奏聞けていいんじゃない?」みたいな声が少なくなく、現代よりのんびりとして寛容だったんだなと感じます。

プレイバックを聴く4人、特にジョージの上機嫌ぶりには私も驚きました。あのツンデレぶりはストレスやドラッグによる情緒不安定なんでしょうかね。
東京ヒルトン #MaKh7gFU|2022/02/17(木) 08:42 [ 編集 ]
このコメントは管理者の承認待ちです
#|2022/03/20(日) 21:02 [ 編集 ]
いつも楽しく読ませていただいております。
昔、何かの本で読んだ記憶があるのですが書棚を探してもその本が見つからず、もしご存じでしたら教えて頂きたいと思いました。
アルバム「サージェント・ペパー」が発売された時、戦争中にも関わらず兵士が入手した「サージエント・ペパー」のアルバムを誇らしげに掲げて戦車か車で戦場にやって来たという逸話を読んだのですが、ご存じないでしょうか。 もし分かれば教えて下さい。宜しくお願い致します。
ファブ4が好き #Um3MeUEs|2022/04/29(金) 09:46 [ 編集 ]
サージェントのそのエピソードは、私もむかし読んだ覚えがあります。
私の記憶では書籍ではなく「スピリッツ」という漫画雑誌のコラムです。
そのコラムの著者がそのエピソードを他の書籍や音楽雑誌でも書いていた可能性はありますが、申し訳ありませんが著者が誰だったかは覚えていません。
お力になれず大変恐縮です。
東京ヒルトン #MaKh7gFU|2022/05/01(日) 17:29 [ 編集 ]
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